オコリ神 -積良-
幸の神(さいのかみ)。子授けの神様として有名な神社です。その神社の右手に「オコリ神」という石が祀られています。
ある年のことです。
新しい道をひろげようと村人たちが集まって小高い丘の整地をしていました。
「エイ!」
くわを入れると、ゴツンと音がしました。村人は不思議に思い
「なにかあたったぞ!」
と叫びました。
「なんやなんや」
みんなで掘りました。すると大きな比丘尼石(びくにいし)が出てきたのです。土を払いのけると、四角い溝が掘ってあります。
「大きな石やのう」
「じゃまやで下へ転がしたろに」
村人達は、仕事をするには不便だと丘の上からゴロゴロッと転がしました。
ところがその夜、石を転がした村人が、急に熱を出して亡くなったのです。
「いい人やったのになあ」
と皆は驚き悲しみました。
「あれは、あの石に祟ったのかもしれん」
村人達は転がした石を思い浮かべました。
「あの石を転がして怒らしたから、ばちがあたったのかもしれん」
早速その石を丘に引き上げることにしました。
そして神様が石に化したのだから、『オコリ神』として静かにまつっておこうと境内に運びました。
しばらくして、ある人が夫婦ゲンカをして、怒りながらここまで来て、オコリ神に参って帰ったら気持がスーとして、夫婦円満になったとか。
赤ん坊のかんの虫に悩まされていたけどオコリ神に参ったら、かんの虫が治ったといううわさがあちこちで聞かれるようになりました。
それからは、村人達はこの幸の神にお参りに来ると、必ずオコリ神にも参って帰るようになりました。
四角い溝が掘ってあるこのオコリ神は、丸くおさめてくれる神様として、御利益があるとのことです。
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