○玉城町環境保全条例

昭和49年10月12日

条例第30号

目次

第1章 総則

第1節 通則(第1条―第4条)

第2節 町の責務及び基本的施策(第5条―第12条)

第3節 事業者の責務(第13条―第18条)

第4節 町民等の責務(第19条―第22条)

第2章 生活環境の保全

第1節 生活環境の整備(第23条―第25条)

第2節 公共の場所の清潔保持及び廃棄物の処理(第26条―第29条)

第3章 自然環境の保全

第1節 緑化の推進(第31条―第33条)

第2節 開発行為についての制限(第34条・第35条)

第4章 文化環境の保全(第36条・第37条)

第5章 補則(第38条・第39条)

附則

第1章 総則

第1節 通則

(目的)

第1条 この条例は、玉城町民が健康で文化的な生活を営む上において、恵まれた自然と良好な生活環境を積極的に確保することが重要であると鑑み、法令等に定めるもののほか、良好な環境の確保に関して、町、事業者及び町民等それぞれの義務と責任を明らかにし、環境と自然を守るための施策の基本となる事項を定めることを目的とする。

(良好な環境確保の基本理念)

第2条 良好な環境の確保は、次の基本理念に従い、推進されなければならない。

(1) 自然と人間との健全な調和を図りつつ、町民の健康で快適な生活を確保すること。

(2) 良好な環境は、その重要性の意義と共に現在の町民から将来の町民に承継される。

(3) 全ての町民が健康で文化的生活を営む権利の保障は、町、事業者及び町民の全てがそれぞれの責務を自覚し、全力を尽してその実現を図らなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 良好な環境 町民が健康な心身を保持し、快適な生活を営むことができる環境をいう。

(2) 自然環境 自然の生態系をめぐる土地、大気、水及び動植物をいう。

(3) 文化環境 郷土の歴史上意義をもつ建造物、遺跡等が周囲の自然環境と一体となって郷土の歴史と文化を具現し、又は形成している土地の状況(以下「歴史的環境」という。)及び文化的遺産並びに文化に関する施設その他人間性豊かな文化を創造し、発展させていくための基礎となる環境をいう。

(4) 町民等 町の住民及び旅行者、滞在者、土地建物の占有者又は管理者等をいう。

(財産権の尊重)

第4条 この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他財産権を尊重しなければならない。

第2節 町の責務及び基本的施策

(基本的責務)

第5条 町は、町民の健康で快適な生活を確保するため、良好な環境の確保に関する施策を講じなければならない。

(公害に係る苦情の処理)

第6条 町は、他の行政機関と協力して、公害の苦情その他の良好な環境の侵害に関する苦情について、迅速かつ適正な処理を図るよう努めなければならない。

(監視及び調査)

第7条 町は、公害の発生源、発生原因、発生状況及び自然環境に及ぼす影響等を監視し、及び調査しなければならない。

(町民意識の啓発)

第8条 町は、町民が公害防止及び環境保全に関する意識を高め、その自主的な運動を通じて公害の防止及び環境保全に資することができるよう、必要な措置を講じなければならない。

(公害防止協定の締結)

第9条 町は、公害防止を推進するため必要があると認める場合は、事業者に対して公害防止協定の締結を要請しなければならない。

(広域にわたる環境の保全)

第10条 町は、公害防止の施策の実施に当たっては、本町域のみならず広域にわたる環境の破壊を防止するよう努めなければならない。

2 町は、他の自治体等において発生する公害により、本町域の良好な環境が著しい影響を受けると認められるときは、当該自治体等に対し、公害防止の協力を要請しなければならない。

(土地開発行為の規制)

第11条 町は、土地の区画形質の変更等を伴う開発又は整備を目的とする行為が、その開発区域及び周辺地域の災害を防止するとともに、自然環境及び文化環境と調和を保って行われるよう必要な措置を講じなければならない。

(公害監視連絡員の設置)

第12条 町は、公害の発生源、発生原因及び発生状態を把握するため規則で定めるところにより、公害監視連絡員を置くことができる。

第3節 事業者の責務

(基本的責務)

第13条 事業者は、その事業活動によって良好な環境を侵害しないようその責任と負担において、必要な措置を講じなければならない。

(最大努力義務)

第14条 事業者は、法令及びこの条例に違反しない場合においても良好な環境の侵害を防止するため最大限の努力をするとともにその事業活動による公害等に係る紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

(管理及び監視義務)

第15条 事業者は、その事業に係る公害のおそれのある発生源を厳重に管理するとともに公害の発生原因及び発生状況を常時監視しなければならない。

(廃棄物の自己処理の義務)

第16条 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物をその責任と負担において、適正に処理しなければならない。

(自然環境及び文化環境の保全)

第17条 事業者は、その事業活動により自然環境及び文化環境を破壊し、又損傷することのないよう努めなければならない。

(協力義務)

第18条 事業者は、町その他の行政機関が実施する良好な環境の確保に関する施策に協力しなければならない。

第4節 町民等の責務

(基本的責務)

第19条 町民等は、町の良好な環境の保全に関するあらゆる施策に協力するとともに自然を破壊し、公害を発生させ、又はその行為により地域の良好な環境を損ってはならない。

(土地建物等の清潔保持)

第20条 町民等は、その占有し、又は管理する土地又は建物及びその周囲の清潔を保ち、相互に協力して地域の生活環境を保全するよう努めなければならない。

(自然環境の保全)

第21条 町民等は、自然環境の保護及び緑豊かな郷土の保全に努めなければならない。

(文化環境の保全)

第22条 町民等は、郷土の文化的遺産を尊重するとともに人間性豊かな文化を創造し、かつ、発展させる環境を育てるよう努めなければならない。

第2章 生活環境の保全

第1節 生活環境の整備

(公共施設等の整備)

第23条 町は、良好な環境を確保するため、公園、緑地、広場等の公共用地、道路等の交通施設、水道等の供給施設、排水路、廃棄物処理施設その他の環境施設の整備に努めなければならない。

(指定建築物の建築の届出)

第24条 規則で定める建築物(以下「指定建築物」という。)を建築しようとする建築主は、当該指定建築物の工事に着手する日の30日前までに、規則で定めるところにより計画その他必要な事項を町長に届けなければならない。

(計画変更の勧告)

第25条 町長は、前条の規定による届出に係る指定建築物がし尿、雑排水及び騒音により、近隣の居住者の生活環境に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その届出に係る建築主に対し当該建築物の建築計画の変更について、必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。

第2節 公共の場所の清潔保持及び廃棄物の処理

(公共の場所の清潔保持)

第26条 何人も道路、公園、緑地、広場、河川その他の公共の場所を汚損してはならない。

(工事施行者の義務)

第27条 土木工事、建築工事その他の工事を行う者(発注者及び施行者をいう。)は、その工事に際し土砂、廃材、資材等が道路その他の公共の場所に飛散し、脱落し、流失し、又は堆積しないようこれらのものを適正に管理しなければならない。

(浄化槽の設置の届出等)

第28条 浄化槽を設置しようとする者は、次に掲げる事項を町長に届け出なければならない。

(1) 設置者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 設置場所

(3) 浄化槽の種類、構造及び容量

(4) 維持管理の方法

(5) 浄化槽からの排水放流先

(6) 排水放流先の管理者との放流協議書等の写し(家庭用合併処理浄化槽を除く。)

(7) その他町長が必要があると認める事項

2 町長は、前項の届出があった場合において、放流水が関係法令の規制基準を超えるおそれがあると認められたとき、又は放流先が適当でないと認められたときは、処理の方法、放流先等について計画の変更又はとりやめを命ずることができる。

(勧告及び命令)

第29条 町長は、第27条の規定に違反して、当該公共の場所の環境を著しく害していると認められる者に対して必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

第3章 自然環境の保全

第1節 緑化の推進

(公共施設の緑化)

第31条 町は、緑化の確保に資するため、公園、学校、道路等その他公共施設に花木類を植栽、育成するとともに、樹木の保存に努めなければならない。

(工場事業場等の緑化)

第32条 工場若しくは事業場等を設置している者又は設置しようとする者は、町長と協議の上、当該団地等の緑化に努めなければならない。

(宅地等の緑化及び保全)

第33条 町民等は、その居住し、所有し、又は管理する土地について、その空間を利用して樹木を植栽する等緑化に努めなければならない。

2 町民等は、その所有し、占有し、又は管理する空地に繁茂した有害植物、枯草等又は放置された廃棄物等を除却し、良好な環境の保全に努めなければならない。

第2節 開発行為についての制限

(開発行為についての届出)

第34条 住宅及び工場等の建築の用に供するため土地の区画、形質の変更をしようとする者は、玉城町開発事業に関する指導要綱(平成6年玉城町告示第43号)の定めるところにより、あらかじめ町長に届け出て、開発行為に関する協議をしなければならない。

(開発行為に対する指導、勧告及び命令)

第35条 町長は、自然環境及び生活環境の保全のため、必要があると認めるときは、前条の規定による届出をした者に対し、必要な措置をとるべき事を指導し、又は勧告することができる。

2 町長は、前条の規定に違反する者又は前項に規定する勧告に従わない者に対し、当該開発行為の中止、計画の変更、原状の回復等自然環境及び生活環境の保全に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第4章 文化環境の保全

(文化環境の措置)

第36条 町長及び玉城町教育委員会は、文化環境の形成及び発展に資するため、必要な措置を講ずるものとする。

(文化的遺産等の活用)

第37条 郷土における歴史的環境、文化的遺産等文化環境に係る財産の所有者又は占有者は、その文化環境を公共のため保存するとともに、これを町民に公開する等その文化的活用に努めなければならない。

第5章 補則

(立入検査及び立入調査)

第38条 町長は、その職員をしてこの条例の施行に必要な限度において、事業所、工事現場、建築物の敷地その他の場所に立ち入り、設備、建築物等及び土地並びにその場所で行われている行為の状況を調査し、若しくは検査し、又は関係者に対し必要な指示又は指導をすることができる。

2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(規則への委任)

第39条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、昭和50年4月1日から施行する。

(平成元年条例第16号)

この条例は、公布の日から施行する。

玉城町環境保全条例

昭和49年10月12日 条例第30号

(平成元年9月29日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
昭和49年10月12日 条例第30号
平成元年9月29日 条例第16号